【死の神タナトス】夜の女神ニュクスの息子

【死の神タナトス】夜の女神ニュクスの息子

夜の子タナトス

夜(ニュクス)は忌まわしい死の定め(モロス)と、黒い死神(ケール)と、死(タナトス)を生み、眠り(ヒュプノス)を生み、夢(オネイロス)の一族を生んだ。

ニュクス(夜)とヘーメラー(昼)が近づいて、青銅の大きな敷居を跨ぎながら、挨拶を交わす。一方は中へ降りて行き、一方は外に出るのだが、館は決して、二人同時に中へは入れず、一方が館の外で大地を巡っている間、他方は必ず館の中に留まって、自分の出発の時が来るのを待つ。

一方(ヘーメラー)は、地上の生類のために、遠く見渡す光を携え、他方は、タナトスの兄弟なるヒュプノスを手にしている。暗鬱な雲に覆われた、忌まわしいニュクスだ。

暗黒のニュクスの子供たちも、ここに家を構えている。ヒュプノスとタナトスという恐ろしい神々で、輝き渡る太陽は、天に昇る時も、天から降りゆく時も、その光線の眼差しを、彼らに向けようとはしない。

片方(ヒュプノス)は、大地と海の広い背を、静かに行き来して、人間に優しいが、もう一方(タナトス)は、胸のうちなる心は鉄、肝は情け容赦ない青銅で、ひと度捕まえた人間は、自分のものにする。不死なる神々にさえ憎まれる奴だ。

-- ヘシオドス『神統記』より --

[ギリシャ神話ネタ99]
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【イメージ制作】

2枚の画像を使っています。

  1. 右側の絵画はヤチェク・マルチェフスキ作。よく見ると乳房があるように見え、女性として描かれています。
  2. タナトスとヒュプノスを抱いている夜の女神ニュクス

サルペドンの遺体を運ぶ死と眠りの神サルペドンの遺体を運ぶ死と眠りの神

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