竹林の写真を眺めていたら、ふと浮かんだ言葉があります。
「かぐや姫の里」──
そうだ、かぐや姫は竹の中で生まれたのだ。
あの、月から舞い降りたような不思議な姫。
まるで静寂と神秘の象徴のように、竹林に現れ、やがて月へと帰っていった。
昔観た映画『竹取物語』では、たしか沢口靖子さんが演じるかぐや姫が、蓮の花のような形をした宇宙船で月に帰っていきました。
あのシーンが心に残っていて「蓮=かぐや姫の象徴」のように思えてならないのです。
それなら、竹林に蓮の花を生けてみよう──
そんな思いつきがふっと浮かびました。
でも、どんな花瓶がいいだろう?
ガラス?陶器?──いいえ、やっぱりここは“竹”でしょう。
一本の青竹を斜めに切って、そこにすっと蓮の花を挿す。
するとどうでしょう。
そこに現れたのは、まるで絵巻から抜け出したような幻想的な一輪。
竹の静けさと蓮の気高さが重なり合い、「かぐや姫の里」としか言いようのない世界が、そこにそっと立ち現れました。
花は語りませんが、その姿から想像できる物語があります。
竹の中で生まれ、月へと旅立つ姫。
そのはかなさと美しさが、竹と蓮という日本的なモチーフの中に静かに息づいているのです。
自然と物語がつながるとき、日常の景色はまるで夢のように輝き出します。
そんな一瞬を、あなたも感じてみませんか?