静かな森で見つけた、小さなひかりの命
深い緑の中を歩いていると、ふと足を止めたくなる瞬間があります。風の音も鳥のさえずりも遠ざかったような、まるで時間がゆっくりとほどけていくような感覚。
この写真は、そんな静けさの中で出会った「木の精霊たち」をイメージして制作された一枚です。ジブリ映画のワンシーンのように、自然とともにひっそりと生きている小さな存在たち。そのひとつひとつが、見る人の心にそっと触れてくれるようです。
木の幹に宿る、ひかりの存在
大きな樹の幹に現れた、虹色の光をまとった小さな精霊たち。まるで呼吸をしているかのように、やわらかく光を放ち、周囲の葉たちを優しく照らしています。
葉の隙間からこぼれる光と影が交差する中、精霊たちは静かにそこに「いる」ことを教えてくれているようです。
見上げると、木の精霊たちがその樹にどれだけ長く寄り添ってきたのかが、木肌の深いしわからも伝わってくる気がします。
森の音が消えた、そのときに
不思議なことに、精霊たちの気配を感じると、周囲の音がすっと遠のくように感じられます。それは、私たちの中にある「静けさ」が呼び覚まされる瞬間なのかもしれません。
風も止まり、葉も揺れないわずかな時間。精霊たちは、そんな一瞬を好んで姿を現してくれるような気がします。その静寂に耳を澄ますと、ふだん気づかない自然の呼吸や、命の小さなリズムがそっと響いてきます。
幻想と現実のはざまで
この作品に込められたのは、「自然の中に潜む命の気配」への想い。ジブリ映画に登場する木霊たちのように、日常のすぐそばにあるけれど、目には見えないものたちが、今もどこかで静かに佇んでいる。
目には見えなくても、感じられるもの。静けさの中に浮かぶひかり、葉と幹の間に生まれる余白。そんな幻想のひとときが、写真というかたちで、私たちの心に優しく届くのです。
木の中に、心を預ける
幻想のようでありながら、どこか懐かしくも感じられるこの風景。見つめているうちに、自分の中の喧騒が少しずつ消えて、心がふっとやわらかくほどけていくのを感じました。
きっと精霊たちは、自然の中で静かに暮らす私たちの「心の余白」を守ってくれているのかもしれません。そんな静寂とやさしさを感じさせてくれる、この幻想的な森の一場面に、そっとありがとうを伝えたくなりました。
