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ランと枯れ木

荒々しく風に削られた流木から、力強く伸びる蘭の花。その背景には、まるで大地と空が溶け合うような夕焼け空を合わせてみました。
自然の強さ、美しさ、そして静かな祈りを一枚に込めた作品です。

自然素材が持つ“語る力”

この作品では、花瓶の代わりに使ったのが「流木」です。
私の中では流木は、ただの木片ではなく、“時間と自然に磨かれた彫刻”のような存在。風雨にさらされながら形を変え、海や川を旅してきたその姿には、何とも言えない生命の記憶が宿っているように感じます。

その流木のひとすじの裂け目に、そっと根づく蘭の花。
濃いピンクの花びらは、まるで空に向かって何かを語りかけているようでもあり、また願いを込めて静かに咲いているようでもあります。

茜色の空に浮かぶ、ひとひらの希望

背景に選んだのは、夕暮れの茜色に染まる空。
この空は、静かに一日を終える光でもあり、新たな一歩へと続く“明日”の気配でもあります。

流木という「過去」の記憶と、蘭という「今ここに咲く命」、そして夕焼けという「つぎの時間」へのつながり——この三つが重なり合うことで、「過去も今も、未来も、すべてがつながっている」そんなイメージを大切にしました。

フォト生け花という自由な表現

「和花写流」は、自然の造形や花の魅力を、自由な発想で組み合わせるフォトコラージュ作品です。

切り株や流木を花器に見立てて生けることで、花がより印象的に浮かび上がり、背景には想像の空間を添えることで、写真に物語を持たせることができます。

この作品でも、蘭の繊細な形と、流木の力強さ、そして空の広がりを組み合わせることで、ひとつの“詩”のような情景を描くことを目指しました。

和花写流2は、「自然の声に耳を澄ませたくなるような」そんな静かな一枚です。

日常の中でふと立ち止まりたくなったとき、心の中の夕空を見上げたくなったときに、そっと思い出していただけたら嬉しいです。

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